静かな暗い森に住む動物たち。動物たちは自分たちがここにいることを知らせようとみんなが協力して明かりをともします。明るい森になりました。動物たちは確信します。これでサンタさんが自分たちのところへきてくれると。これはクリスマスの絵本のはなしです。神はご自分がこれからしようとすることを、わたしたち人間にわかるようにしてくださいます。それが聖書の神、わたしたちを愛してくださる神なのです。「今日ダビデの町に、あなたがたのために救い主がお生まれになった」(ルカ福音書2:11)。これがクリスマスです。わたしたちのために救い主がお生まれになったこの出来事を、神はわたしたちにわかるようにしてくださっています。
救い主はマリアから生まれました。ナザレのガリラヤの町に住むマリアに天使ガブリエルが神から遣わされます。ガブリエルがまだ結婚していないマリアに伝えます。「あなたは身ごもって男の子を産む」(ルカ福音書1:31)。天使は全能の神がなさることをマリアに伝えています。マリアはそれを受け入れます。
マリアの婚約者であるヨセフは、マリアが身ごもったことを知って、ひそかに離縁しようとします。そのヨセフが寝ている時、天使が夢に現れて告げるのです。「恐れずマリアを妻に迎えなさい。マリアに宿った子は聖霊の働きによるのである」(マタイ福音書1:20)と。マリアが身ごもったのは神がなされたことであるとヨセフは受け入れるのです。このようにしてマリアとヨセフ夫婦に男の子が生まれます。
この男の子の誕生という出来事を知らされたのは羊飼いでした。野宿しながら夜通し羊の群の番をしていた羊飼いたちの前に天使が現れるのです。そして救い主がお生まれになったことを告げられます。「今日ダビデの町に、あなたがたのために救い主がお生まれになった」。その乳飲み子が救い主であるしるしは「産着にくるまって飼い葉桶に寝ている」ということでした。ベツレヘムへ行って探してみると、天使が告げられた通り飼い葉桶に寝かされている男の子がいました。羊飼いたちは神を賛美しました。
神は東方の博士たちをエルサレムへ導きます。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」(マタイ福音書2:2)。東方で見た星が博士たちに先立って進み、幼な子がいる場所の上に止まったのです。博士たちは家に入り、母マリアと共におられた幼子を拝し、持参した黄金と乳香と没薬の贈り物を献げました。
わたしたちを愛してくださる神は、わたしたちのために神の独り子を十字架の上で殺し、救いの道を開く計画を実行してくださいました。その始まりが「救い主の誕生」です。家畜小屋で生まれた男の子が救い主だと誰が知るでしょう。だからこそ、神自らマリアに近付き、ヨセフに語りかけ、ユダヤの羊飼いに知らせ、異邦の博士たちを導いて神がなさっていることをわからせたのです。その救いはユダヤ人のためだけでなく、異邦の人々の救いでもあることを、神は知らせているのです。そしてその当人たちによって周囲の人々が神のなさっていることを知ることができるようにしたのです。
クリスマスはわたしたちへの神の語りかけなのです。